診療内容

女性ホルモン専門外来

女性ホルモンは女性らしい体型を作り、子宮や乳房の発育を促し、月経を起こしたりします。また、妊娠、胎児の発育、出産にも重要な役割を果たします。このような女性ホルモンの働きは以前から知られていることですが、今ではもっとさまざまな働きがあることがわかっています。たとえば、骨、血管、皮膚などへの作用のほか、消化管、肝臓や膵臓といった内臓に働きかける作用、さらに脳に対する作用も認められています。まさに、女性の体にとってなくてはならないホルモンです。

女性ホルモン専門外来では、婦人科女性医学に基づき適切なホルモン治療を行うことで、女性の健康を守ることを目的としています。一人一人に合わせたホルモンコントロールを大切にしています。また、症状、目的にあわせ漢方薬やプラセンタも活用します。

*女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。
*40歳以降、更年期や加齢現象と密接に関係してくるのは、エストロゲンです。女性ホルモン=エストロゲンのことを意味している場合もあります。

40歳から50歳までのピル処方を専門的に扱います。

ピルと年齢の関係は、35歳から少しずつ血栓症のリスクが上昇し、40歳以降ますます血栓症のリスクが増えていきます。したがって、ガイドラインでも40歳以降のピル使用は慎重投与に分類されていて、閉経した場合もしくは50歳以降ピルは使用できないという事になっています。

ピルは利用価値の高いおくすりです。

ピル(低用量経口避妊薬)は避妊を目的としたお薬ですが、生理痛がひどい(月経困難症)、生理不順、生理前にとても調子が悪い、にきびが出るといったことに対しても効果が認められています。ピルは一つの薬で多様な効果が期待できます。

ピル使用にあたっての注意 ~血栓症~

ピル服用にあたって最大の注意点は、血栓症のリスクです。血栓症は、血管内に血の塊ができ血管を詰まらせてしまいます。血の塊が血管内を流れて肺などの重要臓器の血管を詰まらせてしまうと重篤な状態になってしまいます。ピルを使用していると血栓症のリスクが生じますが、高率に血栓症を発症するというわけではありません。実際のところ、1万人の婦人が1年間ピルを服用した場合、3-9人発症するリスクがあるとされています。ピル服用していない人であれば1-5人です。あまりピンとこない数字かもしれませんが、例えば産後12週までの褥婦は1万人中40-65人が血栓症を発症するリスクがあるとされていますので、産後のほうがピル服用するよりよっぽど血栓症のリスクが高いことがわかります。他にも、喫煙であったり、高度の肥満であったりするとそれだけで血栓症のリスクが高くなります。そのため、リスクの高い人にはピル使用の制限が生じます。

ピルと年齢

喫煙や高度の肥満、高血圧などでピルの使用制限が生じたとしても、それらは改善することが可能であり、改善されればピルは使用できます。しかし、年齢条件だけは改善しようがありません。40歳以降年齢とともに血栓症のリスクが増えます。したがって、漫然とピルを継続することは注意しなければなりません。

年齢とともに血栓症のリスクが増える理由としては、ピルの薬としての作用の強さと卵巣機能のバランスが崩れるためです。40歳以降だれでも卵巣機能は少しずつ衰えていきます。少しずつ機能が弱くなってきた卵巣をコントロールするのに、ピルの容量は低用量といえども、相対的に多すぎることになります。結果的に余剰なホルモン(合成ホルモン)が血管障害を起こすことになり、血栓症のリスクが上昇します。

ピルからアンチエイジングへ

ピル使用の目的は避妊、生理不順、過多月経・貧血、肌荒れなど様々です。卵巣機能が低下し始める40歳から閉経するまでの約10年間は、ピルと卵巣機能のバランスを定期的に把握しながらお薬を考えていかなければなりません。最終的にはアンチエイジングへと移行していくことになるのですが、なるべく滑らかな移行ができるように、個々に対してきめ細やかなチェックを要します。快適な40代、その後も健康に元気でいられるように当院ではお手伝いします。

アンチエイジングとは、加齢に伴う身体の機能的な衰えを予防することを意味します。ヒトの体は紫外線やタバコ、種々の化学物質、細菌、ウイルスなど細胞レベルで内外から常にストレスを与えられています。致命的なダメージを加えられれば細胞は自ら死に、新しい細胞が次々置き換わり、体を守っています。細胞のダメージすなわちDNAの損傷が修復できないままで残ってしまうと、がん化したりすることもあります。このようにヒトの体を構成する細胞は常にストレスによるダメージと戦っているのですが、細胞も永遠に新しく置き換わる(分裂)ことができるわけではなく、身体の老化に伴い徐々に劣化していきます。これこそが老化を意味するのですが、このような細胞ストレスを助長するようなことは、細胞の老化を早めてしまいます。見た目にわかりやすい例としては紫外線やタバコによる皮膚の劣化があります。これらは皮膚細胞にダメージを与え、皮膚の水分保持力やコラーゲンの減少・質的変化を招き、結果としてシミやしわといった形で現れます。このようなダメージを受け続けた人と、そうでない人では、同じ年齢でも皮膚感が大きく異なってきます。こういった細胞ストレスを最も助長させる原因として考えられているのは、酸化物質の蓄積と代謝の低下が挙げられます。この酸化物質の蓄積と代謝の低下を予防改善するために、食事療法、運動療法、生活習慣の見直し、仕事や家庭でのストレス解消対策であったりと、世間ではあの手この手でその道の専門家なる方々が対策を紹介したりしています。もちろんこれらのことはとても大切で、ベーシックな対策で必要なことです。世の中ではアンチエイジング対策としてプラセンタが大きく取り上げられていたりします。プラセンタは、人の体では生合成されないアミノ酸や生理活性物質を多く含んでいて、取り入れることで代謝活性が上昇するとされています。基礎的な対策を講じたうえで、さらにプラセンタを活用することはアンチエイジングにとってとても有効な手段となりえます。

しかし、このようなプラセンタがエイジングの問題をすべて解決してくれるわけではありません。女性にとって一番の問題は、卵巣機能の低下による女性ホルモンの低下です。女性ホルモンがなくなると途端に代謝が落ち、加齢による弊害が出てきてしまいます。したがって、適切な時期に適切な女性ホルモンを補ってあげることは最も効果的なアンチエイジング対策となります。ただし、女性ホルモン投与は使用上の注意というものがあります。もちろんお薬として取り扱われます。そのため、女性ホルモンに精通した婦人科で管理する必要があります。どのくらいの量を使うのか、いつどの時期にどのような投与法で行うのかというように、個人個人に合わせた方法をとらなければなりません。ホルモン剤も正しく使えば怖いことはありません。長い人生、出来る限り健康でいるために、積極的に取り組んでいきましょう。

当院ではプラセンタを継続して使用しやすくするために、注射剤、内服剤を用意しています。

プラセンタ注射料金(税込)

1本/回注射 1,500円 2本/回注射 2,500円

プラセンタ内服剤(税込)

1シート(10カプセル) 6,700円
1箱(30カプセル) 19,500円

*定期的な注射剤使用の方にはより低料金な設定を用意しています。

詳しくは来院時ご確認ください。

ホルモン補充療法は、アンチエイジング治療の一つの方法であり、更年期症候群に対する治療でもあります。40歳以降卵巣機能が不安定になり、女性ホルモンの分泌も低下していきます。持続的に低レベルとなり生理が来なくなった期間が1年経過したら閉経となります。分泌が低下したときに起きる諸症状が更年期障害であり、女性ホルモンが持続的に低値になるために身体的な機能が急激に衰えることになります。ホルモン補充療法は女性ホルモンを付加してあげることで、このような状況を改善しようとする治療です。

ホルモン補充に使われるお薬はいくつかありますが、使用する女性ホルモンは2種類あります。一つはエストロゲン(卵胞ホルモン)、もう一つはプロゲステロン(黄体ホルモン)です。また、当たり前ですが使用の際は、その用量・用法をきちんと守ることがとても大切なこととなります。

エストロゲン製剤は現在、天然型のエストロゲンが主流です。ピルに含まれるエストロゲンは合成ホルモンのため、ピルはホルモン補充に適しません。投与方法も内服、貼付、塗布があり、生活スタイルに合った投与法で使用することになります。一方、黄体ホルモン製剤は今のところ内服薬のみとなります。いくつか種類がありますが、当院ではデュファストンというお薬を使用しています。本来であればエストロゲンが更年期症状やアンチエイジング治療にとって本質的なホルモン剤となるのですが、子宮がある場合不正出血などのリスクが生じるため、出血のコントロール目的で黄体ホルモン剤が必要になります。そのため、子宮筋腫などで子宮を摘出しているケースでは出血のリスクはないので、エストロゲン製剤のみでかまいません。

使用方法に関しては、大きく分けて二通りあります。一つは周期法、もう一つは連続法といわれる方法です。周期法の特徴は毎月生理を起こす方法で、連続法は生理を起こさない投与方法になります。連続法にはエストロゲン製剤と黄体ホルモン製剤2種類をそれぞれ使用する方法と、二つの成分が一つにまとまった製剤もあります。生理がない連続法のほうがいいと思うかもしれませんが、年齢、子宮のホルモン反応性など考慮して投与法を決めていかないと不正出血など頻発する可能性があります。使用方法は診察の上判断しますので、指示に従って使うようにしましょう。